「芸術は爆発だ!」は岡本太郎さんの有名な名言です。
- 1911年東京出身
- 東京大学に進学してすぐに中退。その後1930年〜1940年までをパリで過ごす。
- 1970年大阪万博のテーマ館「太陽の塔」は国際的な話題となる。
「芸術は爆発だ」という言葉は有名で聞いたことがある人も多いかと思いますが、この言葉に込められた意味まではあまり知られていないのではないでしょうか。
「芸術は爆発だ」とは自分の人生(芸術)を爆発させるように全力で生きろというメッセージが込められています。
以下、そのことについて解説します。
全体性を失ってしまった現代人
岡本太郎さんは、現代社会は人間ひとりひとりの働きが部品化され目的・全体性がなくなってしまっていると主張します。
- 会社人間
会社に人生の全てを捧げて自分の自由な生き方を探求しようとしないこと。 - 専門化した生き方
専門化することで、自分の専門外のことには目を向けず知ろうとしないこと。[/jin-iconbox08]
例えば上記のような生き方をする人たちです。
岡本太郎さんは、目的を失った人達や型にはまった生き方をする人たちのことをみて「人間の全体性を失ってしまっている」と感じました。
僕個人で考えてみてもそうだと思います。
- 自転車のパンク修理ができない
- 車のタイヤ交換を自分でやったことがない
些細な例ですが上記のように、自分で所有している物にも関わらず自分でやってみたことがありません。
現代の人は身の回りのあらゆることに対する興味・関心が薄くなっているということだと思います。
現代人のほとんどは創造の喜びとは無縁の世界で生きている
この問題を解説するために必要なのが芸術というわけです。
その芸術を生み出す際の情熱の噴出が、失われてしまった人間の全体性を奪回するというのが岡本太郎さんの主張です。
芸術とは人生そのもの
芸術が人間の失われた全体性を奪回するというのが岡本太郎さんの主張です。
では岡本太郎さんの言う芸術とは何なのでしょうか?
普通芸術といえば彫刻や絵画などを思い浮かべると思います。けれども岡本太郎さんが芸術と呼んでいるのはそれとは違います。
芸術=人生
これが岡本太郎さんの考えです。
人生を全力で生きる。その生き方こそが芸術になる。
「芸術は爆発だ」とはつまり、自分の人生(芸術)を爆発させるように全力で生きろというメッセージです。
僕が芸術というのは生きることそのものである。
人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命を突き出し爆発する、その生き方こそが芸術なのだということを強調したい。
“芸術は爆発だ”
『強く生きる言葉』岡本太郎 株式会社イースト・プレス社
生きているのに何もしない。無気力で死んでいるのと同じような目をしている人と大勢いる。
そんな社会に向けて何か創造する自由を知って欲しいと考えたのだと思います。
爆発とは自分自身と闘うこと
では、「爆発させるように生きる」とはどういうことでしょうか。
結論、それは自分自身と闘うことです。
自分に忠実だなんていう人に限って、自分を大切にして、自分を破ろうとしない。
大事にするから、弱くなってしまうのだ。己自身と闘え。
自分自身を突きとばせばいいのだ。炎はその瞬間に燃えあがり、あとは無。爆発するんだ。
全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが「爆発」だ。
『強く生きる言葉』岡本太郎 株式会社イースト・プレス社
- あえて自分を突き飛ばす。
- 厳しい環境に果敢に挑戦する。
- 常に自分自身と闘う
上記のような生き方をすることです。
岡本太郎さんはこのような生き方を、「自分の中に毒を持つ」と表現しています。
上記著書はすごくおすすめなのでぜひ一読してみてください。
毒に打ち勝つために自分の魂を瞬間瞬間に爆発させることが、失われてしまった人間の全体性を奪回につながります。
芸術は爆発だ!
「芸獣は爆発だ」
この言葉に込められた思いが深いことに驚かされます。
芸術が必要な理由
①人間の全体性が失われてしまっている。
②全体性を奪回するために「芸術」が必要。
③芸樹とは人生
④人生を爆発させることで失われてしまっている人間らしさを取り戻せる。
①〜④の思考を経て
「芸術は爆発だ」
という言葉が発せられています。
この言葉に込められた意味は、自由に生きて、その瞬間瞬間に魂を爆発させろということです。
気まぐれでも、何でもかまわない。
ふと惹かれるものがあったら、計画性を考えないで、
何でもいいから、そのときやりたいことに手を出してみるといい。
不思議なもので、自分が求めているときには、
それにこたえてくれるものが自然にわかるものだ。
『強く生きる言葉』岡本太郎 株式会社イースト・プレス社
自分の思うままに行動する。
そして、その瞬間瞬間にエネルギーを使って爆発する。それが芸術の爆発です。
まとめ
- 現代人は創造の喜びを知らない
- 人間の全体性が失われてしまっている
- 人間の全体性の奪回のために芸術が必要
- 瞬間瞬間に思うままに自由に行動する。それが芸術の爆発。
- 芸術とは人生そのもの
- 人間として自由に全力で生きて、人生を爆発させましょう。
「芸術は爆発!」
この言葉の意味は想像以上に深いんです。
自分の可能性に蓋をしないで行動していきましょう。
失敗しそうとか、自分には無理とか、僕たちは色々なことで日々悩みます。けれどもそんな悩みを吹き飛ばすように爆発し続けろと岡本太郎さんは言うんです。
迷いや悩みが生じた時にはこの力強い言葉に背中を押してもらうのがいいかもしれません。