GLAYといえば1999年の20万人ライブなどとても有名です。
そんなGLAYのリーダーTAKUROさんの著書『胸懐』が僕は大好きで何度も読み返した過去があります。2006年に発行されたTAKUROさんのエッセイで、ロックバンドのリーダーとしての苦悩や希望について綴られています。
読み返す度に発見があって好きなページを折っていくうちに、ページは折り目だらけになっています!本記事ではそんな僕の大好きな本の名言を書きます。
永遠なんてない。
永遠なんてない。
幼い頃、僕はそのことに気づいた。絶望したわけではない。むしろそのことに気づいてから、楽に生きられるようになった。自分の手の中にある幸せを、永遠に続かせたいと願うから、人は不幸になるのだろう。どんな幸せも、永遠には続かない。
でも、だからこそ、僕は今この幸せを抱きしめる。永遠なんてない。けれど、その一瞬は、永遠なのだろうと思う。人生がもし、そういう”一瞬の永遠”の連続だったら。生きることはどれだけ、輝かしいものになることだろう。世界はどれだけ、美しい場所になるだろう。
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫
詩人ですよね。
言葉の選び方のセンスがさすがです。
永遠なんてない。
人は生まれた瞬間から死に向かって進んでいます。自分の命にもいつかは終わりがくる。でも終わりがあるからこそ今この瞬間に自分が生きていることへの感謝の気持ちを持つことができます。
その一瞬の中に永遠はあるとTAKUROさんは言っています。本当に何度読んでも美しい文章です。
というか幼い頃にそんなことを考えているTAKUROさんが本当にすごい。
今ここにある幸せは、そっと両手で包むように慈しむべきなのだ
今ここにある幸せは、そっと両手で包むように慈しむべきなのだ。かけがえのない今という瞬間を、未来に心悩ませることなく、ただひたすら愛すればいい。人にできることは、結局のところそれしかないのだから。
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫
人には過去も未来もない。あるのは今だけ。
僕もこのブログ結構今を大切にするということを書いています。僕も大事だと思う考え方の一つです。
あと、今を大切にするという生き方でオススメなのが『アバウトタイム』という映画です。タイムトラベル系の恋愛映画なのですが、何度でも過去に戻って人生をやり直すことができる主人公が最終的に決めたことが僕は大好きです。
人生は、生まれた場所に戻るための旅
人の人生は、生まれた場所に戻るための旅なのだ。その自分が生まれた場所が何処かということについては、本人がいろいろ考えてみなければならない余地は残るにせよ
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫
「生まれた場所に戻るための旅」人生の命題の答えのような美しい言葉です。
GLAYのホワイトロードの歌詞で大好きな部分を紹介します。
振り返れば故郷は場所ではなくてあなたでした
GLAY「ホワイトロード」
生まれた場所は、「場所」とは限りません。「誰か」かもしれませんよ。
母親が赤ん坊に唄う子守唄にかなう歌なんて、どこにもない
母親が赤ん坊に唄う子守唄にかなう歌なんて、どこにもありはしない
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫 第一章より
グサッとくる名言です。
これは僕自身も自分の娘を持った時にすごく実感しました。
どんなに素晴らしい音楽も母親の子守唄にはかなわない。究極のラブソングは世界中で売れた曲でもなければ、グラミー賞をとった曲でもありません。
ラジオが聴きたいんです
先生、すみません。途中ですけど、サッカー部辞めます
ラジオが聴きたいんです
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫 第二章より
サッカー部の大会をとるかビートルズのラジオをとるか、中学二年生のTAKURO少年は悩み抜いた末にラジオを選びました。
これがGLAYの始まりです。
TAKUROさんの人生を変えたのはビートルズとの出会いでした。
GLAYメンバーとの出会い
TAKUROさんはメンバーとの活動を通じて、こいつらとならすごいことができるかもしれないという予感を抱いていたそうです。
こいつらと一緒なら、すごいことができるかもしれないという予感をさせる人間がいる。平凡に過ぎていくであろう自分の人生を、艶やかにしてくれると感じさせる人との出会いというのは、人生の中でそうたくさんあるものじゃない
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫 第二章より
人生を艶やかにしてくれそうな予感がする人との出会い。
僕も学生時代に自分の価値観を大きく変えてくれた出会いがありました。今でも仲良く付き合っています。
最初に声をかけようと思った時の感情はまさに、平凡な自分を変えてくれるかもしれないという期待感でした。
曲作りの苦労
シンデレラのガラスの靴の方がまだマシだ。僕の曲は、夜中の十二時までなんてとても持たなかった。夕方の六時半には、ドレスはボロボロ、馬車はカボチャに、御者はネズミに戻ってしまう
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫 第二章より
この言い回しも詩人です。
僕も苦労をこうやって表現したいです。
諦めずに詩を書き続けたからこそ今のGLAYの成功があります。
GLAYの苦労
いくら大きい夢があっても、固い決意があったとしても、あっという間に生活の中に埋没してしまう危険をいつも伴っている。
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫 第三章より
まるでツギハギだらけのジャケット、バンドとしてはこれ以上に、ショッパイというか格好悪いものはないのだが、それでもライブ活動は続けた。そうしなければ、僕らはただ日々の生活に追われ、バイトに疲れた兄ちゃんに過ぎなかった。自分たちにできる限りの事をやって、GLAYを育て続ける。それだけが僕ら三人の存在理由だった。
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫 第三章より
東京で働きながらバンド活動を続ける。それは想像以上に大変で、「現実は厳しい・・・」と何度も打ちのめされたんだと思います。
ガラガラのライブハウスで演奏するためにバイトをしてお金をためてスタジオに入って練習する。GLAYにもそんな時代がありました。
人生の名言
人生を歩き始め、大人としての自我が目覚める時期の、そういう淀みのような「暗闇」の中で、うじうじと思い悩んでいた僕に、彼女はこういった。
「でも結局さ、生きてるだけで丸儲けなんじゃないの」
『胸懐』TAKURO 幻冬舎文庫 第四章より
TAKUROさんの当時の彼女さんの言葉です。
僕も20代後半にすごく悩んだときにこの言葉をよく思い出していました。
今こうして生きていられることがどれだけ幸せなことか。そのことに感謝しないといけません。
命を終えるときに、自分の一生を振り返って、美しい人生だったといえるような、そういう人生を歩みたいと思う。
美しい人生を送ろうとすることそのものが、美しい人生につながるのだと信じて生きるだけだ。答えはきっと、人生の終わりに出るものなのだろう。
人生のピークはまだまだ先にあるのだと信じていたい
生きていくことは、愛することであり、愛されることなのだ
最後の「生きていくことは、愛すること、愛されること」という言葉は「春を愛する人」の中でも使われているフレーズです。
アイスランドの荒涼とした道で出会った人生の心理ということです。
本当に素敵な言葉だと思います。
僕の大好きな言葉をまとめてみました。
言葉で人を感動させられるTAKUROさんは本当にすごいと思います。
この本にはGLAYの成功までの道のりが綴られていて、胸が熱くなる物語や名言もまだまだたくさんあります。
ぜひ読んでみてください。
それでは。